【多くの人から選ばれるクリニックを目指して】口コミ×集患対策のすすめ~重要性・必要性など詳しく解説~
クリニックを経営・運営するうえで、長く愛される存在であるためには「集患対策」が非常に重要です。そして、現代では多くの場合、ネット上の評判、すなわち「口コミ」がその成功を大きく左右します。
日々の診療に専念されている先生方の中には、集患対策や業務改善の一環として、システムの見直しや院内整備、新しい機器の導入などを行っている方も多いでしょう。しかし、口コミ対策にまで手が回っていない方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は集患対策の一つである「口コミ対策」に焦点を当てて解説します。
目次
口コミの基本的な考え方とは
①患者様が口コミを投稿することは少ない
皆さんの周りでも、口コミを書く人が少ないと感じるかもしれませんが、クリニックに来院された患者様も同様に、口コミを残すことはあまり多くありません。
口コミを書く方の多くは、「怒りや不満=悪い口コミ(低評価)」や「喜びや感謝=良い口コミ(高評価)」といった強い感情を感じたときに投稿する傾向があります。
しかし、対策を講じずに運営していると、悪い口コミが増え、新規の患者様を獲得するのが難しくなってしまうため、注意が必要です
②口コミの全てが「悪」ではない
「口コミ」と聞くと、あまり良い印象を持たれない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ここでお伝えしたいのは、「口コミは単に良い・悪いを伝えるものではない」ということです。
口コミには、クリニックの雰囲気、先生の診療スタイル、スタッフの対応、お会計方法などが文章や写真を通じて伝えられています。口コミの星の数だけでなく、自分との相性が良いかどうかをコメントの内容から判断することもありますので、単に「良い・悪い」を評価するものではないという点にご留意ください。
③口コミは残り続ける
基本的に、一度投稿された口コミは消えることなく残り続けます。また、今後口コミという機能が無くなる可能性も極めて低いでしょう。
日常的にネットを利用する人々は、何かを購入する際やどこかを訪れる際に、他者の意見や感想、口コミ評価を参考にしています。
ネット利用者と同じくらい、自院の口コミにも関心を持ち、悪い口コミから改善できる点は積極的に見直していきましょう。また、口コミへの返信を行うことで、新規患者様や再来患者様にも好印象を与える対策を日々継続することが重要です。
ただし、嫌がらせや競合からの悪質な評価など、正当でない評価を見つけた場合は、「通報」することをおすすめします。
④噓の投稿・やらせはしない
「口コミの数が多い=評価の高いクリニック」という考えから、口コミを増やそうとして「やらせ」や「サクラ」を行うことは、集患対策として決して望ましいものではありません。
やらせやサクラによって増えた口コミは、表面的には利用者が多く評判の良いクリニックに見えるかもしれません。しかし、口コミは実際に来院された患者様のリアルな声や思いを知るための重要な場です。
もし悪い口コミが投稿された場合は、それを真摯に受け止め、問題点を改善することこそが、最も効果的な集患対策となります。
口コミの重要性・必要性とは
口コミは、クリニックに来院する方が「行く・行かない」を判断するための重要な情報です。来院される方が必要とする情報は、クリニック側にとっても同様に重要であると考えられます。
それでは、具体的にどのような部分が重要であり、必要とされるのかを解説します。
①口コミの数で判断されることがある
行こうとしているクリニックの口コミ数が少ない場合、そのクリニックの利用者が少ないのではないか、といったマイナスな印象を与えてしまう恐れがあります。
また、一度口コミを書いた人が何度も同じクリニックに口コミを投稿することは稀であるため、口コミの数はクリニックの利用者の多さと直結していると考えられます。
②口コミの内容で判断されることがある
口コミの数と同様に、口コミのコメント内容も非常に重要です。実際にクリニックを利用した方が感じたことや思ったことが書かれているため、これからクリニックの利用を検討している人が参考にする可能性が高いからです。
他にコメントの内容に加えて、コメントの鮮度(最新情報であるか)もポイントになります。
過去に悪いコメントがあっても、最新のコメントで良い評価が得られている場合、良い印象を与え、結果的に集患に繋がる可能性が高まります。
③口コミの評価点で判断されることがある
口コミにはコメントだけでなく、満足度を点数や星の数で表すこともあります。この数値の高さを参考にする方も多いでしょう。多くの人から高い満足度を得ているクリニックには、「自分も同じ満足感を得られるだろう」という心理が働きます。そのため、点数や星の数が高いクリニックは目に留まりやすく、集患に繋がりやすい傾向があります。
④検索順位に影響することがある
口コミの数や評価が高いと、ネット検索時に貴院が表示される順位が上位になりやすくなります。表示順位が上がることで、より多くの人の目に留まる確率が高くなります。 例えば、Googleは口コミの数や評価について次のように言及しています。 「Googleでのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。」 Googleビジネスプロフィールでは、オーナーが基本情報や写真を登録することに加え、患者様が投稿した口コミも重要な要素と言われています。
Googleは、多くの人から高評価を得ているクリニックを、ユーザーに提供すべき重要なコンテンツとして認識しています。そのため、口コミを多く集めることで、自身のクリニックが重要なコンテンツであることをGoogleに認識してもらう必要があります。
引用:Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法
口コミを獲得する方法とは
ここからは、口コミを獲得するためにクリニックができる事を紹介します。
①院内にPOPやカードを用意し呼びかける
来院された方が目にしやすい待合室の壁や掲示板に、口コミを促すPOPを掲載したり、受付のカウンターなどに「口コミ協力のお願い」といったカードを設置して、協力をお願いする方法があります。
また、口コミに協力していただける方の中には、「何を書けばいいかわからない」という方もいるかもしれません。そのため、書いてほしい内容や過去の口コミ例、貴院が大切にしていることなどをわかりやすく提示することで、コメントを書きやすい環境を整えることが大切です
②口コミに対する手間を削減する
口コミをすることは、アンケートに答えるように手間や時間がかかるという印象を持つ方が多く、そのために口コミ自体を面倒だと感じる方も少なくありません。
この手間を減らすために、口コミ入力画面に直接アクセスできるQRコードを作成するなど、口コミしやすい環境を整えることが大切です。
③SNSを活用する
クリニックでSNSアカウントを運営している場合、来院された患者様に貴院のLINEやInstagramなどをフォローしていただき、SNSを通じて口コミをお願いすることも可能です。
来院時に時間がなくて口コミを投稿できなかった場合でも、後日、口コミを投稿してもらえる可能性があります。
最後に
口コミは、ただ待っているだけでは増えません。クリニック側がしっかりと行動することで、口コミの数は着実に増えていきます。そして、その日々の積み重ねが、クリニックの評判を向上させていくのです。
今回の記事を参考にしていただき、集患対策の一つである「口コミ数」を増やし、多くの人に愛される評判の良いクリニックを目指していきましょう。
最終更新日:2024年8月23日
この記事の執筆者
株式会社APOSTRO 経営企画室
川越 雄太
大学卒業後、大手コンサルティング会社にて、医療機関のコンサルティングに従事。その後、医療介護人材紹介会社の経営企画部門を経て、当社へ入社。クリニックや薬局のコンサルティング、ITシステム導入支援のアドバイスを行なっている。