【インフルエンザのシーズン到来】流行は例年より早く、規模も大きい状況に。

2025年から26年にかけてインフルエンザは、日本全国で例年よりもかなり早く、大規模な流行となっています。厚生労働省の定点報告では、11月上旬(第45週)の時点で5県が流行警報レベルに達し、その翌週には全国平均も警報レベルを超えるなど、多くの都道府県で警報レベルに達しました。
本記事では、公表データをもとに今シーズンの特徴を整理するとともに、クリニック現場で想定される影響や、今後意識しておきたいポイントについて解説します。
今回のインフルエンザは「例年より早く・大規模」に流行
今シーズンの最大の特徴は、流行の始まりが非常に早かったこと、そして患者数が平年を大きく上回っていることです。一般的にインフルエンザの流行は12月頃から始まり、1~2月にかけて本格化しますが、今年は、11月の時点で多くの都道府県で警報レベルに達していました。このため、「例年と変わらない」という従来の感覚で対応すると、現場の負担が想定以上に大きくなる可能性があります。
データで見る全国の流行状況
厚生労働省、東京都が発表したデータをもとに、全国のインフルエンザ流行状況をまとめました。
11月の時点ですでに警報レベルに到達
厚生労働省が公表したインフルエンザ定点報告によると、11月3〜9日(第45週)の全国平均の定点当たりの報告数は約21.8でした。次の5県では、1定点あたり30以上という「流行警報」の基準をすでに超えていました。
- 宮城県
- 埼玉県
- 神奈川県
- 福島県
- 岩手県
参考:インフルエンザに関する報道発表資料 2025/2026シーズン‐厚生労働省
東京都でも例年より約6週早く警報レベルに
東京都でも同じ第45週に、定点当たり報告数が約29に達し、昨年より約6週早く警報基準を超えたとされています。都としても「都内のインフルエンザ流行が拡大」と公式に表現しており、都市部でも早期から流行が顕在化した点は、今シーズンの大きな特徴といえます。
参考:都内のインフルエンザ、警報基準を超える‐都庁総合ホームページ
12月に入っても警報レベルが続く
12月1〜7日(第49週)の全国のインフルエンザ定点当たり報告数は38.5でした。前週からはわずかに減少しているものの、依然として流行警報レベルを大きく上回る水準です。この週の推計患者数は約14万8千人とされており、全国的に見ても警報レベルを超える都道府県が多数存在しています。11月後半から12月にかけては、高止まり〜やや減少という推移ではあるものの、「流行が収束した」と判断できる状況には至っていません。
参考:インフルエンザに関する報道発表資料 2025/2026シーズン‐厚生労働省
クリニック現場で想定される影響と実務上の注意点
今シーズンのように、例年より早い段階から患者数が多い状況では、忙しくなるだけでなく、対応の質や院内オペレーション全体に影響を及ぼしやすくなります。
発熱外来・検査対応の長期戦化
通常であれば、発熱外来のピークは短期間であることが多いですが、今シーズンは11月からすでに患者数が多く、その状態が12月以降も続いています。発熱外来対応が一時的な忙しさではなく、長期戦になる可能性があるため、以下の懸念点が挙げられます。
- 抗原検査・説明・結果待ちに時間を取られる
- 発熱患者対応にスタッフが固定される
- 通常外来の診療回転が落ちる
この状況が積み重なることで、診療全体の滞りやスタッフの疲弊につながりやすくなります。
COVID-19など他感染症との鑑別負担の増大
インフルエンザ流行期には、COVID-19、咽頭炎、感染性胃腸炎など、症状が重なりやすい感染症も同時に増加します。その結果、次のような問題が起こり得ます。
- 「どこまで検査を行うか」の判断負担
- 陰性時の説明や再受診対応
- 患者側の不安への対応
そのため、診察時間が想定以上に長引くケースも少なくありません。
スタッフの感染・体調不良による人員不足リスク
流行が早く始まるということは、スタッフが感染リスクにさらされる期間も長くなります。スタッフが感染することで、看護師・事務スタッフの欠勤や最小人数での診療体制、急なシフト調整や残業の増加となり、余裕が失われてしまいます。特に中小規模のクリニックでは、1人欠けるだけで回らなくなる状況が起きやすいため、事前に代替体制や業務分担を整理しておくことが重要です。
受診希望患者の集中による待ち時間・説明対応の増加
今シーズンは、「周囲で流行している」「ニュースで警報を見た」という理由から、軽症でも早めに受診したいというケースがあるかもしれません。そうなると、受付・電話問い合わせの増加や待ち時間への不満、「すぐ検査してほしい」という要望への対応など、医療行為以外の説明・調整業務が増加します。対応が積み重なることで、スタッフの心理的負担が大きくなります。
クリニックが特に意識しておきたいポイント
ここまで解説した注意点をふまえ、クリニックが特に意識しておきたいポイントをご紹介します。
1.12月以降も「収束前提」で判断しない
定点報告数が一時的に減少しても、「もうピークは過ぎた」とは言えません。年末年始の人流増加や家族内感染の拡大、再流行の可能性を踏まえると、少なくとも年明けまでは高水準が続く前提で、人員配置や予約枠を考える必要があります。
2.院内体制・動線・情報発信の整理が重要
スムーズな受診につなげるために、インフルエンザ対応について整理しましょう。以下の内容を整理しておくと、現場と患者さんの混乱予防につながります。
- 発熱患者と通常外来の動線を明確に分ける
- 受診前に確認すべき事項(受診の目安)をWeb・掲示で明示する
- 検査・ワクチン対応の可否や時間帯を明確にする
整理することで、スタッフの受付・診察時の説明負担を大きく減らすことができます。
3.繁忙期の負担軽減策として検討したい「自動精算機」の導入
インフルエンザ流行期には、診察・検査対応だけでなく、受付・会計の業務負担が一気に増えるという課題もあります。特に今シーズンのように、受診希望者の集中が続く状況では、受付・会計も混雑しやすくなります。その結果、待ち時間が長くなってスタッフの疲弊が進み、患者さんのクレームや不満につながることもあるでしょう。
こうした状況への対策として、自動精算機の導入が効果的な選択肢です。
特に発熱外来対応で忙しい時期には、「会計を機械に任せる」ことで、人を診療・案内業務に集中させられる点が大きなメリットになります。
自動精算機の中でも、クリニック運用を前提に設計されているのがClinic KIOSKです。
- クリニック規模でも導入しやすいサイズ
- 会計業務の効率化を重視したわかりやすい設計
- 費用対効果の高いコストパフォーマンス
- キャッシュレス決済にも対応
弊社ではClinic KIOSKの導入を検討するクリニックさま向けに、設置環境や運用イメージに応じた相談を受け付けています。自院の状況に合った活用方法を知りたい場合は、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今年のインフルエンザは、例年より早く流行が始まり、12月に入っても警報レベルの高い水準が続いています。その影響で、発熱外来対応の長期化やスタッフ負担の増大など、クリニック運営全体に継続的な負荷がかかりやすい状況です。今シーズンは「一時的な繁忙」ではなく、「早く始まり長く続く」前提での体制づくりが求められます。院内動線や情報発信の整理に加え、会計業務の省力化など仕組みで負担を減らす工夫も有効です。流行状況を踏まえ、自院の運営体制を見直す機会として活用していきましょう。