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【開発秘話】クリニック向け自動精算機『Clinic KIOSK』が生まれた理由

開発者レター

クリニック向け自動精算機「Clinic KIOSK」は2015年に生産開始してから、たくさんの医院様にご導入いただいており、2024年8月末時点のシリーズ累計導入数は2800台(※OEM 提供を含む)を超えました。
今回は当社がクリニック向け自動精算機『Clinic KIOSK』を開発することになったきっかけや、自動精算機に対する想いをご紹介します。

クリニック向けの自動精算機の開発に至るきっかけ

当社は、もともとパソコンの出張修理や工程管理プログラムの開発など、システム開発を主な事業として展開していました。そんな中、17年ほど前に整形外科病院をご紹介いただいたことがきっかけで、クリニック向け自動精算機の開発がスタートしました。
当初は電子カルテのカスタマイズやベッド管理システムの開発・導入を手掛けていましたが、2011年頃に自動精算機の調達依頼を受ける機会がありました。当時、医療業界で利用されていた自動精算機は大病院向けに設計されたもので、サイズが大きく、コストも非常に高額でした。
「もっと安価で導入しやすいものを作れないか?」というご要望をいただきましたが、当社には自動精算機を開発するノウハウや十分な時間がなく、対応が難しい状況でした。そこで、ホテル向け自動精算機を製作していた会社と、販売を担当する代理店を含めた3社と提携し、共同で開発を進めることとなりました。

クリニック・診療所向けの自動精算機に特化していった理由

当社が医療業界を大きな市場と見据えて戦略的に開発を進めたわけではありません。むしろ、整形外科の先生から「クリニックに適した自動精算機を作ってほしい」と頼まれたことで、最初はお客様の要望に応える形で開発を始めました。
当時、大病院にはすでに自動精算機が導入されていましたが、クリニックや診療所にはほとんど設置されていませんでした。そこで、「機械の大きさと価格をクリニックに適した形に調整すれば、需要が見込めるのではないか」と考えるようになりました。
しかし、クリニック向け自動精算機の開発には、大きな課題がありました。それは、病院やクリニック・診療所といった医療機関では、患者データを管理するためにレセプトコンピューター(医事会計システム、以下レセコン)と連携させる必要があるという点です。このレセコンのメーカーは、小規模なものまで含めると数十社に上ります。
従来の大病院向け自動精算機は、大手メーカーが自社のレセコンと連携しているケースがほとんどでした。一方で、クリニック向けに設計された省スペース型の自動精算機では、既存のレセコンとの連携がありませんでした。そのため、新たに自動精算機とレセコンをつなぐソフトウェアを開発する必要がありました。
この点において、当社はこれまで培ってきたシステム開発のノウハウが活かせました。自動精算機とレセコンを連携するソフトウェアを開発できれば、そのレセコンを使用するすべてのクリニックが潜在的な顧客になると考え、この業界に進出しました。

ソフトウェア開発の経緯

各社のレセコンと自動精算機を連携させるためには、数十社にのぼるレセコンメーカーからシステム情報を開示していただく必要があり、ソフトウェアの開発は困難を極めました。
自動精算機の導入を検討しているクリニックが使用しているレセコンメーカーに対し、一社一社「情報を開示していただけませんか?」とお願いして回った時期もありました。しかし、守秘義務の関係もあり、情報開示を断られるケースも少なくありませんでした。
とはいえ、当社の自動精算機に連携することはレセコンメーカーにとっても販路拡大のチャンスとなります。また、クリニック側から「精算機に対応するレセコンに乗り換える」と言われる可能性もあるため、当社のソフトウェア開発は相手側にもメリットをもたらします。
そのような背景から、当初は慎重だった事業者の皆さまも、次第に情報開示に応じていただけるようになりました。その結果、現在では約97%以上のレセコンメーカーと自動精算機のシステム連携が実現しています。

新事業展開で苦労した点

第一に、資金繰りです。当社はそれまで受託型のソフトウェア開発を主軸とし、無借金経営を続けていました。しかし、自動精算機の製造には、まず高額なユニットを先行して仕入れる必要がありました。このユニットは非常に高額で、しかも10台単位での発注が必要だったため、資金繰りは大きな課題となりました。
第二に、機械の不具合です。初めて取り組む分野だったこともあり、開発当初は不具合が多発し、お客様からクレームをいただくことも少なくありませんでした。中には「精算機を引き上げてくれ!」と厳しいお言葉を受けたこともあります。
しかし、当社はパソコントラブルへの出張対応を行ってきた経験があり、トラブル対応力には自信がありました。不具合が発生すれば、即座に修正対応を行い、お客様から信頼を回復するため全力を尽くしました。
例えば、特に厳しいお声をいただいたお客様に対しては、「一人、毎日サポートをつけます」と約束し、3か月間は毎日、その後も1年間週1回、社員を派遣して対応しました。開院前から閉院後の締め作業までサポートを徹底した結果、そのお客様からの信頼を得ることができました。そして現在でも5年以上、当社の製品を愛用いただいています。

当社の経営理念

当社は、「情報技術を駆使し、人が豊かに暮らせる効率のよい社会づくりに貢献します」という経営理念を掲げています。この理念のもと、自動精算機の導入においても、単に使い方を説明するだけでなく、各施設の業務フローの見直しを含めた支援を行っています。自動精算機の導入の目的は「設置すること」ではなく、「活用して業務を効率化すること」です。そのため、施設ごとの実情に合わせた柔軟な対応を心がけています。
また、導入後も、トラブル対応だけでなく、法改正への対応や業務改善のご相談にも応じるなど、継続的なサポートを提供しています。たとえば、過去に『Clinic KIOSK』の導入相談を受けた際、窓口会計のほうが合理的と判断されるケースもありました。その場合は、お客様の事情に寄り添いながら、最適なアドバイスを行いました。
当社は、機械は基本的に故障する可能性があるものと考えています。そのため、売りっぱなしにするのではなく、不具合を最小限に抑え、必要なサポートを適切に提供することを重視しています。こうした地道なサポートを積み重ねた結果、導入施設からの信頼を得て、2024年8月時点で『Clinic KIOSK』シリーズの累計導入台数は2800台を突破しました。(※販売台数にはOEM提供分も含む)
とはいえ、日本には約10万の医科クリニック、約6万8千の歯科クリニックが存在しており、さらなる可能性が広がっています。今後も、より多くの施設にご導入いただけるよう、新しい技術の導入やお客様の声を活かし、サービスの向上に努めてまいります。

最終更新日:2024年11月29日

この記事の執筆者

株式会社APOSTRO 経営企画室
川越 雄太

大学卒業後、大手コンサルティング会社にて、医療機関のコンサルティングに従事。その後、医療介護人材紹介会社の経営企画部門を経て、当社へ入社。クリニックや薬局のコンサルティング、ITシステム導入支援のアドバイスを行なっている。

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