【2024年最新!】クリニック開業までの流れと必要な準備
最近、開業のタイミングで自動精算機を導入したいというご要望をよくいただいております。それに伴い、開業準備を進められている先生方とお話しする機会も増えました。その中で、クリニックの開業までには、非常に多くの準備が必要であることを改めて実感しています。
これからクリニックの開業を検討されている方の中には、何をいつまでに準備すればよいか、迷われている方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、クリニック開業までの手順と必要な準備について解説いたします。この記事を読むことで、開業までに取り組むべき事項をしっかり把握できるようにまとめていますので、ぜひご一読ください。
目次
クリニック開業のスケジュールと必要な準備
クリニック開業に必要な準備を、時系列に沿って解説していきます。やるべきことを明確にし、抜け漏れのないよう万全の準備を進めるためのサポートとなれば幸いです。
クリニック開業10〜7ヶ月前にやること
クリニック開業に向け、10〜7ヶ月前にやるべきことは以下の通りです。
- 開業コンセプトを決める
- 開業場所を決める
- 物件を決める
- 開業資金を確保する
- 必要物品を確認する
- 保健所・消防署への事前協議を行う
クリニックの核となるコンセプトを決定したうえで、診療圏調査を実施し、開業場所や物件を慎重に選定することが重要です。
開業コンセプトを決める
クリニックを開業し、経営を安定させるためには、核となるコンセプトを確立することが重要です。
クリニックの規模や経営理念、そして患者さんに提供する診療の方向性を明確にしておきましょう。
開業場所を決める
開業場所を選定する際には、診療圏調査を実施し、ターゲットとなる患者様の数を確認しましょう。
さらに、競合となるクリニックの数を把握し、差別化できるポイントを見つけることが重要です。
物件を決める
開業場所が決まったら、物件の選定に進みましょう。一般のテナント物件、戸建て物件、居抜き物件、継承物件など、条件に合ったものを選んでください。物件を選ぶ際には、開業コンセプトや診療圏調査の結果を十分に考慮して選定することをおすすめします。
開業資金を確保する
まず、開業資金がどのくらい必要かを把握するために、事業計画書を作成し、医療機器や内装工事費用などの見積を取りましょう。
そのうえで、借入先となる金融機関と交渉し、契約を進めることが重要です。
必要物品を確認する
クリニック開業に際し、必要な物品をしっかりと精査しましょう。診察室、受付、待合室、玄関など、各エリアごとに必要なものを確認することが重要です。
特に、電子カルテや医療機器などは納期が長くかかる場合があるため、早めに選定しておくことをおすすめします。
消防署・保健所への事前協議を行う
事前協議として、消防署と保健所に対し、医院の名称や診療科目を伝える必要があります。事前に相談を行っていない場合、開業時にクリニック名などが使用不可になる可能性があるため、必ず事前に協議をしておきましょう。
クリニック開業6〜5ヶ月前にやること
クリニック開業に向け、6〜5ヶ月前にやるべきことは以下の通りです。
- 物件の契約および融資の申し込み
- クリニックの設計・施工業者の選定
- スタッフ採用条件の検討
開業に間に合うよう、物件の契約や融資の手続き、施工業者の選定を迅速に進めましょう。
物件の契約・融資を申し込む
物件の契約をする際には、施設の設備を確認し、医療機器やその他の物品が問題なく搬入できるかを調べることが重要です。
また、融資を申し込む際には、借入申込書や事業計画書、診療圏調査資料、物件資料などをあらかじめ準備しておきましょう。
クリニックの設計・施工業者を選定する
クリニックの規模や内装へのこだわりによって、工事費用は大きく異なります。
設計・施工業者を選定する際には、複数の業者から見積もりを取り、比較検討したうえで最適な業者を選びましょう。
スタッフ採用の条件を決める
クリニックのコンセプトや経営理念に基づいて、スタッフの採用条件を設定しましょう。職種や勤務形態ごとに給与や人員体制を決め、クリニックに適したスキルを持つスタッフを採用することが重要です。
クリニック開業4〜2ヶ月前にやること
クリニック開業に向け、4〜2ヶ月前にやるべきことは以下の通りです。
- 内装工事を始める
- 導入する医療機器および必要物品を確定する
- ホームページなどを制作する
- スタッフの募集を開始する
- 税理士・社会保険労務士と契約する
院内スタッフと話し合いながら、開業に向けて必要な準備を計画的に進めましょう。
内装工事を始める
内装工事が始まったら、できるだけ工事現場に足を運び、工程表に沿って進行しているかを確認しましょう。
現場で工事の進捗状況を確認しつつ、変更したい点が出てきた場合には、速やかに工事業者に申し出ることが重要です。
導入する医療機器・必要物品を確定する
導入を検討している医療機器や必要物品の発注手続きを進めましょう。物品によっては納期が数ヶ月かかる場合もあるため、余裕を持って早めに発注することをおすすめします。
ホームページやチラシなどを制作する
開業後にスムーズに集患するため、クリニックのホームページやチラシなどを制作しましょう。
それぞれのクリニックの特徴や強みをアピールできるよう、他院との差別化を図った内容にすることが重要です。
スタッフの募集を始める
ホームページや求人サイトを活用して、スタッフの募集を開始しましょう。求める人材のスキルや、雇用形態、労働条件を明確に示すことが重要です。
人材紹介会社を経由して募集を行う場合、コストが増える可能性があるため、注意が必要です。
税理士・社会保険労務士と契約する
税理士と契約しておくことで、税務申告や各種届出のサポートを受けられます。また、社会保険労務士と契約することで、スタッフとのトラブル発生時の仲裁や社会保険の手続きをサポートしてもらえるため、お勧めです。
クリニック開業1ヶ月前にやること
クリニック開業に向け、1ヶ月前にやるべきことは以下の通りです。
- 医療機器・その他物品を搬入する
- 厚生局・保健所にて各種申請・届出を行う
- 医師会に加入する
- クリニックを広告する
- スタッフの研修・リハーサルを行う
- 開業する
スムーズな開業を実現するためには、各種手続きを進めながら、入念にリハーサルを行うことが重要です。
医療機器・その他物品を搬入する
メーカー担当者と打ち合わせを行い、搬入スケジュールを確定しましょう。他のメーカーとの日程が重ならないように調整することが重要です。
また、機器の操作説明日も併せて設定しておくことをおすすめします。
厚生局・保健所にて各種申請・届出を行う
厚生局には、保険医療機関指定申請を行う必要があります。提出期限は各局によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
また、保健所には開業前に開業許可申請を提出し、開業後は10日以内に開設届を提出する必要があります。
医師会に加入する
医師会に加入する際には、入会金や年会費がかかりますが、健診や予防接種の案件を受託できるほか、地域の医療関連情報を入手することができます。
また、クリニックの宣伝にもなり、集患効果も期待できるため、加入を検討する価値があります。
クリニックを広告する
クリニックを広告するために、チラシのポスティングや看板の設置、ホームページの公開を進めましょう。各広告媒体において、診療時間や電話番号、住所などの情報に漏れがないかを必ず確認してください。
また、必要に応じてSNSやGoogleビジネスプロフィール(Googleマップに表示される)にも登録しておくことをおすすめします。
スタッフの研修・リハーサルを行う
開業前に、患者様が来院してから支払いまでの1日の流れをシミュレーションし、リハーサルを行うことが重要です。
事前に電子カルテやレセコン、医療機器などを操作し、十分に練習しておきましょう。
開業する
すべての準備が整ったら、いよいよ開業です。開業後は、患者様への貢献を第一に考えながら、少しずつクリニックの業務に慣れていきましょう。
クリニック開業時に自動精算機を入れるメリット
近年、受付や会計業務の効率化を図るため、クリニック開業のタイミングで自動精算機を導入するクリニックが増えています。
自動精算機を導入することで、レジ締め業務を含む会計業務の負担を軽減できます。
また、現金の授受が不要になるため、釣銭の計算ミスや渡し間違いを防止し、業務効率化をさらに進めることができます。
開業時に自動精算機を導入することで、後から業務フローを変更する必要がなくなる点も大きなメリットです。クリニック向け自動精算機『Clinic KIOSK』は、最短1カ月で導入が可能です。クリニックによっては、セルフレジ(Clinic POS)から自動精算機(Clinic KIOSK・Clinic KIOSK for Desktop)にアップグレードするケースもあります。
患者様の増加に合わせてご提案が可能ですので、自動精算機の導入を検討されている場合は、お気軽にご相談ください。
まとめ
クリニックの開業においては、開業場所や物品の選定、スタッフの採用など、取り組むべきことが多岐にわたります。これから開業を検討されている方は、開業スケジュールをしっかり組み、1つ1つ漏れがないように進めていきましょう。
クリニック向け自動精算機『Clinic KIOSK』は、窓口会計業務を削減し、業務効率化が期待できます。
クリニックの開業を検討されている方は、電子カルテやレセコンと併せての導入をぜひご検討ください。
最終更新日:2024年8月27日
この記事の執筆者
医療ライター ゆし
医療機器メーカー(東証プライム市場上場)の営業職に約10年間従事。薬機法管理者資格、YMAA認証マーク取得。 クリニック開業サポート・医院継承サポート実績あり。 現在は、医療専門Webライターとして多くの医療記事を執筆している。