【3分でわかる】クリニックの残業時間を1日90分削減した具体的な方法
診療所やクリニックに携わる先生やスタッフさんの中に、日々の業務に追われ「残業が多い」、「業務を効率化・削減したい」。そんなことを考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、業務改善したいと考えるものの 「はたしてどの業務を削減すべきか?」、「何から手をつけたらいいのか分からない」 といったようなお声を、先生やスタッフさんからよく耳にします。
そこで今回は、「クリニックの残業時間を1日90分削減した具体的な方法」について、事例をもとに解説します。
クリニックが考えるべき「削減可能な業務」の洗い出し
業務削減を考える際、大事なことは「削減できそうな業務は何かを知ること」です。
どの業務が削減できそうかを考えるうえで、下記のように業務を分解して洗い出すことをお勧めします。
①人がやらなければいけない業務
②人がやった方がいい業務
③人がやらなくてもいい業務
次に、各項目にそって具体的なクリニックの業務を割り振ります。
※ほかにも無数にありますが、ここでは具体例として絞って記載します 。
- 人がやらなければいけない業務:診察、処置、処方箋の受渡し など
- 人がやった方がいい業務:患者様への説明、接遇対応、診察前問診 など
- 人がやらなくてもいい業務:予約対応、患者様呼出し、患者様の質疑応答、会計業務 など
「削減可能な業務」として真っ先に焦点を当てるべきは…
業務削減を行う際、真っ先に焦点を当てる業務は「③人がやらなくてもいい業務」です。
「①人がやらなければいけない業務」と「②人がやった方がいい業務」は、患者満足度やクリニックの評判に与える影響が大きい業務です。
また、他院よりも「①人がやらなければいけない業務」や、「②人がやった方がいい業務」が充実していれば、他院との差別化にもつながります。
そのため、可能な限り「③人がやらなくてもいい業務」を削減しつつ「①人がやらなければいけない業務」と「②人がやった方がいい業務」を充実させることが、クリニックで業務改善を実行する際、重要な考え方となります。
では実際に「③人がやらなくてもいい業務」の何を削減するか?
人がやらなくてもいい業務に「どれほどの時間を費やしているか? 」その業務を削減するための解決策を書き出し整理してみてください。
下記は実際のクリニックで算出した数値になります。
・予約対応:90分(患者様一人あたり平均3分 × 1日30件)
⇨【解決策】予約システムの導入
・患者様の呼出し:10分(患者様一人あたり平均10秒 × 1日60人)
⇨【解決策】患者番号表示システム
・受付対応:60分(患者様一人あたり平均1分 × 1日60人)
⇨【解決策】再来受付機能
・会計対応:90分(患者様一人あたり平均1分30秒 × 1日60人)
⇨【解決策】自動精算機・セミセルフレジ
・質問対応:20分(患者様一人あたり平均2分 × 1日10人)
⇨【解決策】よくある質問集 ・Botシステム
これらの業務を「削減すると最もインパクトが出る業務」と「業務改善の可能性」の2軸で考えプロットすると焦点を当てるべき業務が見えてきます。
上の図のようにプロットすると、会計対応と予約対応は改善によるインパクトが高く、かつ業務改善に繋がる可能性も高いことがわかります。
逆に、受付対応については、改善によるインパクトは高いものの、改善するための方法が乏しく、業務改善の可能性としては効果が小さいことがわかります。
まとめ
今回は「クリニックの残業時間を1日90分削減した具体的な方法」を紹介しました。皆様のクリニックでもぜひ、このように業務を分解しプロットすることで改善すべき業務が見えてくると思います。
医療機関でもDX化が進んでいますが、その中でも「人がやるべきこと(やったほうがいいこと)」はたくさんあります。DX化が進んでいるからこそ、患者様とのコミュニケーションなどの接遇面を向上させ、医院の差別化ポイントを生み出しているクリニックも多々あります。
「人がやらなくてもいい業務」を削減し、患者満足度向上に注力できる環境づくりの一つとして、自動精算機の導入も検討してみてください。
最終更新日:2024年10月30日
この記事の執筆者
株式会社APOSTRO 経営企画室
川越 雄太
大学卒業後、大手コンサルティング会社にて、医療機関のコンサルティングに従事。その後、医療介護人材紹介会社の経営企画部門を経て、当社へ入社。クリニックや薬局のコンサルティング、ITシステム導入支援のアドバイスを行なっている。